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日系平均を読みながら

今年の相場は大きく動いた。その中で個人もたくさん儲けただろう。

しかし今後この波に乗った個人投資家がいきのこるには、基本的な現在のマーケットダイナミズムを理解しなければいけない。

その点について少し触れてみる。

今年の日本株を振り返ると、相当荒っぽい展開になった。

ヘッジファンドのアンワインドは、円安の流れを受け、本格的になった。

日経平均のオプションから算出したVIも11月の半ばに30.2%を記録した。投資家の不安と意欲の高まりの両面を示唆している。

ヘッジファンドが株式先物で大きな買いのポジションを積み上げると、その流れの中で先物は理論値以上で推移することが多くなる。

よって、アービトラージャー(裁定取引業者)は割高になった株式先物を売り、安い現物を購入する。

この流れは裁定買いが始まるのだが、経験の少ない投資家はアービトラージャーが何らかの意図を持ってポジションを増やしたり減らしたりしていると勘違いしている。

アービトラージャーは現物株式と株式先物を比較しながら、割高を売って割安を買っているだけだ。

逆にヘッジファンドが大規模なアンワインドを行う場合、株式先物が理論値以下で推移することがわかるので、割安の先物を買い戻し、割高な現物の株を売る。

もうお分かりだろうが、一定の条件をもったプログラムは瞬間的な売買を繰り返すだけでアービトラージャーにはそもそも相場観はない。

アービトラージは薄利多売の商いであり、収益を稼ぐためには巨額の資金が必要だ。

ヘッジファンドのデリバティブにおけるポジションテイクの影響をアービトラージが拍車をかける。

ポジションテイク、アンワインドにアービトラージが誘発され、値がさ株が大きく舞う。

従って、下落する場合にはあっという間に500円安となり一点買いになれば300円高になるのも、この一連のメカニズムを理解していないと現在の日本市場で戦うのは難しいだろう。

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中国ファンドの動向

SSBT OD05 オムニバスチャイナトリーティなど中国のファンドが日本株を大量に売却している。

もともとはオムニバスチャイナとして政府系の資金3兆円を運用する巨大ファンドとして名を馳せた。

有名になったきっかけは大量の日本株買いである。

政府高官のあまりに余った資金は成長の鈍化が見られる中国国内のおいておいても使用意図がなく、それらが一体となってファンドになった模様だ。

行先を国内で失った中国が標的にしたのが日本のマーケット。リーマンショック以来少しずつ回復基調にあり、アベノミクスで一気に回復した日本のINDEXだが、その背景には強烈な外国人投資家の日本株買いがあった。

日本の企業は今でも実力以上に割安で放置されているものも多く、2010年頃から相当数の銘柄がオムニバスチャイナに買われ、およそ2012年3月期末時点でオムニバス名義株主が238社に上った。

2007年の3月期にはわずか5社だったのがこの5年間で238社になり、総額は3兆5000億円を超えた。

今のところ堅調な建設業や製造業を中心に買い占めているが、国内の主要は企業の多くに中国資本が株主として君臨するという構図は今後20年はまず変わらない。大きな転換期を日本は迎えている。

かわりゆくトレーディング手法

これまで資産運用会社では、資産配分の策定や売買銘柄の決定、またトレーディングと言った一連のプロセスをファンドマネージャーが担ってきた。

しかし近年はセグメント別にプロフェッショナルが配置されることが増えている。

トレーダーとはその名の通り売買を専門に扱う。いわゆる分業化がファンド内でも進むことで、トレーディング業務の専門性はますます高度になり、その業務の周辺をサポートする技術も急速に進展した。

我が社では採用をしていないが、高速取引を得意とするファンドであれば巨額の資金を投じてシステムを構築する。トレーディングのよしあしよりもIT スキルがいかにあるか、運用成績を左右する時代になってきた。

ヘッジファンドの多くがそれぞれの役割の専門性を高めるためポートフォリオのマネジメントとトレーディング業務を分離する。

スキルそのもので言えばITインフラが普及した今、個人のトレーダ‐と大手資産運用会社のトレーダーはそうも変わらない。変わるのは持っている情報とネットワーク。そして教育体制である。一見仕事さえこなせばフレキシブルな勤務が許されるように見えるヘッジファンドだが実はそうではない。

ゴールドマンサックスやメリルリンチはベースサラリーは確かに高いがどこよりもハードワークをしている。金融業界は独立が前提とまで言われるのは、それだけ求められるものが高くまた過酷だからだ。

マーケットの分析力さえ体得していれば40を越えてリストラにあってもまだ自力で食べていける。
40代オーバーの元外資系サラリーマンがいかに孤立し道を見失い苦境に立たされているかをみると、アナリストはじめバイサイドの鍛錬は若いうちからしておいて越したことはないと実感するのだ。




相場感

2008年のリーマンショック以降の世界的経済不況が完全に回復基調に向かっている。

アメリカの経済は安定に向けてインデックスの上昇が期待されてきた。

こうなると資金は債券からリスク資産である株式へシフトする。

ダウ工業株30種平均は金融危機後の安値を付けた2009年の3月以降着実に上昇している。

アメリカ経済に日本は追従していくしかないのだから、短期的な儲けの感覚はすてて今からは長期的プランで株式に取り組んでいいタイミングだ。

イベントドリブンやロングショートなど、株式には様々な運用手法があるが、私が最も信用しているのはバリュー投資だ。
長期的視野に立てば個人の投資家は必ず勝てると信じている。

短期的な儲けを意識するとヘッジファンドが大きく相場を揺さぶった際、影響受けてしまって負けを確定させてしまう。
自分の中にぶれない核があるかないかが重要だ。


翻ってアクティビストファンドは、入り口部分はバリュー投資と変わらないといえる。

違いがあるとすればそれは購入後だ。マーケットに任せて長期的に自分の買った株式が上がるの待つか、自分が直接的に働きかけて株価を上げるか、大きくはその違いでしかない。株価を上げるには資金を要す。ファンドは資金があるからそれができる。それを人はアクティビストファンドと呼んでいるにすぎない。

実際投資の神様バフェットもバリュー投資とはいえアクティビストファンドと見れなくもない。ただ彼は敵対的ではないし自分たちの要求を述べはするが、真っ向から戦わせるまではしないだけだ。

自分の中で絶対的な価値判断を持つことができるなら個人は株に取り組めばいいし株は勝てる。

それが苦手なら運用成績の良いファンドに任せるか株式市場からは撤退したほうがいい。覚悟と自信がなければ株はでいない。目移りしやすく、飽きっぽい性格であれば、到底株式投資はつとまらないのだ。


プロフィール

KENY

Author:KENY
外資系ヘッジファンドマネージャー

香港(2003~2006)
➾スイス(2007~2009)
➾NY(2010~2011)
➾香港(2012~現在に至る) 

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