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外資系ヘッジファンドのメリット

日系のヘッジファンドと外資系のヘッジファンドの何が一番違うのか。

あえて外資系ヘッジファンドのメリットは何かをまとめてみる。


*まずは徹底した実力主義の中自分の能力が鍛えられる

*英語力が格段に向上する

*大手ヘッジファンド業界からヘッドハンティングが来やすい


逆にデメリットは以下。


*新入社員に対する教育体制がそこまで充実していない

*解雇のリスクが常にある

*キャリアとして認められない場合がある


ある程度時間をかけて自分のスキルをアップしてキャリアを積む、そのような着実性を望むなら日系ヘッジファンドや金融機関で勤めることをお勧めする。


ただ、あまり年齢がいってからだと、外資系は非常に高いスキルがなければ雇ってもくれない。

その意味ではリスクをはってでも20代のうちに外資で一度は働いていなければそもそも道がないだろう。

とは言え私の場合はそこそこ大手の外資系ヘッジファンドだったために、新人教育はスイスで行われた。

景気循環の末期ということもあり飛行機はビジネスクラスではなかったが、それまでの新入社員は皆最初からビジネスクラスのチケットは与えられていたという。

チューリヒの郊外で本社のシニアやエキスパートによる講義は非常にエキサイティングで面白かった。

メゾネット式の60平米ほどあるコンドミニアム。敷地にはプールもついていて新卒で入ったわりには間違いしてしまうような待遇だった。


日焼けをしながら英語で書かれた投資に関する書籍を読みあさった記憶が懐かしい。





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ファンドスクリーナー

以前知り合いの投資家からユーリカヘッジの信ぴょう性について問われたことがあった。

ファンド側が自由に登録してくる運用成績が信頼できるか不安だというのだ。

ヘッジファンドが機関投資家向けに自社の成績をリリースする一つのツールとしてFUNDスクリーナーへの登録がある。

FUNDスクリーナーとして一番日本で馴染みがあるのはシンガポールに籍をおくユーリカヘッジ・ロイター・ブルームバーグになる。


ヘッジファンドは運用成績を自己申告で掲載できるが、そこに客観性があるのかという問題を聞かれたことがあった。


たしかにFUNDスクリーナは、各ヘッジファンドの成績がリストされるたびに本物かどうがチェックするようなものではない。

しかしこれらFUNDスクリーナーは客観性が高いと認識されている。

理由は機関投資家がリストアップされているヘッジファンドに関心を持ち、問い合わせをした場合、厳正な審査をFUND側は受けることになるからだ。

ヘッジファンドに投資しようとする機関投資家はミニマム100万ドルを考えるであろう。

機関投資家は資金量に物言わせ、ファンド専用の精査会社に依頼をして運用成績の信憑性について厳しく審査をする。

日本ではAIG やMARSなどいわゆる自転車操業ファンドがあったが、当然彼らはFundの登録をユーリカヘッジにはしていない。

以上よりファンドの運用成果が本物であれば、ヘッジファンドは掲載を試みると考えてよい。

FUNDスクリーナーの登録は自己申告と言われてしまえばそうだが、上記のような力学が働いているため、結果的に言えばファンドは運用成績を証明しなければ投資家からの資金を受け入れることは実際できない。


結果的には客観性を担保する構図になっているのだ。


ヘッジファンドは儲かるか否か

ヘッジファンドのファンドマネージャーは本場アメリカの最大手で言えば年収100億円はあり得る数字だ。

大きなアセットのファンドマネージャーであればあるだけリターンに対する成果報酬が大きいのは周知のとおりである。

ヘッジファンドは成果報酬の2割がトリブンとされている。

数字を簡単に100億円と考えてみよう。

仮に年間20%リターンを出したヘッジファンドは20億の20%ということで4億円がプロフィットとなる。

これがタックスヘイブンに籍をおくヘッジファンドの所以であり、仮に日本のヘッジファンドであれば約半分が税金だと考えて2億円の収入となる。

100億円を運用して20億も利益を出しているのに2億円が少ないと感じる方もいるだろう。

ましてリターンが出せなければこの100億円は引き出されてしまうのだ。

翌年からファンド会社はまた別の新規顧客を見つけなければいけないし、しかし、前年のレコードが影響して顧客を見つける辛い状況になっている。

これらを鑑みると決して華やかな世界だけではないことがわかる。

ヘッジファンドは収益を出し続ける宿命にあるのだ。

まさに命がけの稼業である。

単に年収面でのリスクとリターンを鑑みると、投資銀行でセールスやリサーチなどの職種につく方が賢明だ。

その職種ならある程度の年齢になってキャリアアップ転職をしていく限り、突然解雇ということもほとんどない。

ベースサラリーも一般の会社よりは高い。

外資系ヘッジファンドはベースサラリーも比較的高給ではあるが何にもまして能力で評価される。

評価されるという意味は能力がなければすぐに解雇されるという意味だ。

1年前には羽振りをよくとも今年になって大量のリストラに追い込まれるようなことは、この業界では常識になってしまっているのだ。

ヘッジファンドがファンドマネージャーを含め、ボロ儲けできるかという問いに対しては「ほんの1部の勝者」だけだといえる。

また、その勝者もその後引き続き勝ちつづけなければいけないというストレスの中で生きるしかない。

ジョージソロスなど世界的に有名なヘッジファンドマネージャーは、収入が高く評価されているが、自分のファンドに自分の資産も突っ込んで運用している場合も多い。

私の場合、結果的に運用の仕事が好きだし時間に拘束されない能力給という体制が肌に合っているから続けられるが、なかなかリスキーでお勧めはできない。

とは言え私のようにヘッジファンドの大手に入ってしまうと社内政治は存在し派閥みたいなものもあり、イメージされているほど能力重視で自由ということでもないのだ。

理想はキャリアを元に、ヘッジファンドを自身で立ち上げて運用していくことであろう。


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AUM(受託資産)100億円までが一番

近年相場をにぎわしているのはソフトアクティビストファンド。


過去の記事にも書いた通り、彼らの運用成績は非常に好調だ。


30%、40%は当たり前で、アベノミクスには恩恵にあやかり100%を超えるファンドもあった。


中小型株ブームといっていい市場のおける風潮は2000年に入って見受けられ、
ヘッジファンドという存在が日本市場でもにわかに存在感を増した。


日本のヘッジファンドとして業界紙にたまに取り上げられるアキトキャピタルのアセットは、
現在1200億ほどと聞いている。

立ち上げ当時の手法は、ロングショートを中心にしながらも、
イベントトリブンやグローバルマクロ、またはオプションなどだった。


運用成績は定かではないが、相場環境も手伝い彼らのファンドは2012年には10倍近くアセットが増え200億近くになった。

その後、カナダの年金基金からの受託があり1000億を超え本格的なファンドに成長した。

現在の手法はどうかといえば、選ぶ銘柄は変わりロングがメインとなった。




アセットの小さかったかつてと今で手法に違いがあって当然だ。

ではそれはなぜなのか。



何兆円単位の資金を運用する大手の機関投資家では、時価総額が1000億満たない銘柄はまず買えない。

話がややこしいからアキトを例にとり1200億だとして24銘柄で50億ずつ分散投資をしたとしよう。

その際に100億円程度の時価総額の銘柄を買ってしまうと、5%を下手すると超えてしまい
大量保有報告書を出す羽目になる。この時点でファンドは手の内が明かされ投資行動に余計なバイアスがかかることになる。


年金基金や企業基金の目標利回りが4%であるのは、確実なリターン最優先であることと、その膨れた資産がゆえである。

数千億のファンドでは小型株を扱うことは、利回りを出せないからありえない。
仮に10億の小型株で倍になったとして、10億円の利益をファンドにもちこんでも、
アセットが3000億の場合利回りは0.03%だ。なんの評価にもならない。

さらに言えば、割安に放置されている小型株に手を出してしまうと、
マジョリティ(51%以上)取得してしまうことになりかねない。
そうなれば会社の実質支配することになり、ファンドとしての活動に支障をきたすことになる。

株価が上がっても出来高が少ないため簡単に市場で売却ができない。
できたところでファンドのボリュームから言ってリターンは微々たるものになる。
そのような事情から小型株というのはマーケットの中心から外されてきた。
事実業界的に言えば3000億のファンドは小さいという扱いになる。

しかし逆に100億円までのファンドにとっては、中小型株を狙うのは非常に効率がよく条件もいい。
まずファンド自体の資金を有効に活用しきることができ、かつ、財務内容が良く割安な場合なら
保有していてもいいし売却するなら積極的に市場に働きかけることも可能だ。

この延長にアクティビストファンドが生まれた。

本来割安に放置されたままの「買い」銘柄。
ファンドなら誰しもすぐに飛びつきたい状態でしかし放置されているのは、
大手ファンドが大きすぎるからである。

そこを狙ってアセットがまだ大きくないファンドが台頭してきた。
年間で100%以上のリターンがでるのは、そのようなからくりがあって、理屈がわかれば何も不思議なことない。

ヘッジファンドもまずは100億円でまずはスタート地点といえるだろう。





テーマ:資産運用について - ジャンル:株式・投資・マネー

備忘録

ヘッジファンドが数年前から脚光を浴びているように思う。


業界は横にはつながっているが世間とは全くといっていいほどつながりがない。


私は香港にいる分特別かもしれないが。


数少ない現役選手として、その周辺の出来事をコツコツ書き留めていく。

プロフィール

KENY

Author:KENY
外資系ヘッジファンドマネージャー

香港(2003~2006)
➾スイス(2007~2009)
➾NY(2010~2011)
➾香港(2012~現在に至る) 

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